AIフレンドリーではない環境では、AIはガラクタである
現代において、AIの進化は目覚ましい。
多くの人は、AIを既存のワークフローに無理やり組み込み、使いこなそうとする。
しかし、どれほど高性能なモデルが登場しても、それを受け入れる側の環境が整っていなければ、真の実力は引き出せない。むしろ、AIフレンドリーではない環境においては、AIはガラクタに等しいとさえ感じる。
本記事は、筆者が最近ひしひしと感じている「AIを使いこなすための環境づくりの重要性」というテーマで纏めてみた。

人間向けの環境 vs AI向けの環境
かつて筆者のチームでは、情報の管理にNotionやEvernoteを使用していた。
ドキュメント作成や共有、タスクや顧客リストの管理まで行える、仕事からプライベートまで大活躍してきた。これらは、人間が直接操作する分には、直感的で美しいUIを備えた手放せないツールだ。
しかし、AIとの共創という観点で見ると、状況は一変する。
NotionのようなリッチなUIを持つツールは、AIとの直接的な連携が極めて難しいの。AIに読み込ませるためのコンテクスト(前提情報)の抽出に手間がかかり、情報の更新履歴も追いにくい。いちいち、保存された情報をコピペしてチャット欄に貼り付けて、AIの回答をまたNotionに戻して・・・と繰り返すのは、AIを使えば使うほど面倒である。
人間にとっての使い勝手の良さが、AIにとっては読み込みづらくて使いにくい、となってしまう。
AI優先の情報管理へシフト
ということで、筆者は思い切った決断を下すことにした。
まず、これまで大変お世話になったNotionやEvernoteを事実上廃止。
代わりの情報管理は、Google DriveやObisidianで行う。
文章は、AIが読み取りやすいマークダウン形式を採用する。
この移行は、一つのツールに依存してきたチームであればあるほど腰が重い。
ツール(クラウド)に保存してきたデータをすべて取り出し、別の媒体に移す作業は非常に時間がかかる。慣れ親しんだUIも使えなくなるので、ツールの使い方を極めた人であればあるほど抵抗があるだろう。実際、人間が使うという観点では、使い勝手は劣ってしまう。
ただ、終わってしまうとめちゃくちゃ快適だ。
まず、Googleが提供する各種AIツール:GeminiやNotebookLMとの連携が容易になる。また、フォルダを直接参照できるCursorやAntigravityといった、AIエディタやGitとの連携もしやすくなる。
最も重要なのは「最新かつ正確な前提条件」をAIへ渡すこと
Notionのようなツールでは、情報のアップデートがあるたびにAIに渡すファイルも更新しないといけない。古い情報を参照してしまうと正確な回答が得られなくなってしまう。
対して、GeminiとGoogle DriveのようにAIも同じファイルが読み取れる環境や、ObisidianのようなMarkdown形式のファイルをAIエディタで管理する環境では、そのような変更履歴を気にする必要はなくなる。AIは、常に一貫性のある情報を読み取ることができるのだ。
AIに参照してほしい最新ファイルを渡して、必要に応じてAIが自動で追記・修正まで行ってくれる。一度この環境を整えれば、作業効率は10倍にも100倍にもなると断言できる。

AIが作る、これからのサイト構築
この変化は、ブログやWebサイトの制作手法にも及んでいると感じる。
従来、Webサイトの構築でよく使われるのはWordPressというCMS。これも、人間が使う分には非常に使い勝手がいいツールだが、AIが完全にコードを書く時代においては、むしろ使いにくいと感じるようになってきた。
AIであれば、真っさらな状態で一からコードを書かせる方が速く、正確だ。
AIで出力した内容をWordpressにコピペするのは面倒だし、テーマやプラグインの制約に縛られて、思ったとおりの出力ができない場合も多々ある。既存のテンプレートを使わずに、AIに書かせたHTMLファイルをそのままアップロードした方が正確で、圧倒的に早い。
今後は、WordPressやEC CUBEのようなCMSを使わずにサイトを立ち上げるのが、主流になるかもしれない。
まとめ
本記事では、AIフレンドリーな環境構築の必要性について持論を纏めてみた。
今の人間フレンドリーなツールを廃止するほど重要なのか? と思われるかもしれない。
というか、筆者もそう思っていた。
ただ、これからの社会は指数関数的にAIへの依存度が高まっていくし、AIを使い倒している会社とそうでない会社では、企画・開発・マーケティングなどのあらゆる面で、ものすごい差になるだろう。
CDやDVDなどの物理管理からネット配信へと形が変わったように、これからは「AIが読みやすい形」で情報を管理する能力が必要になる。あなたは、AIが仕事しやすい環境をを整えられているだろうか。
AIフレンドリーな環境を整えること。
これこそが、AI時代の生存戦略における第一歩となるはずである。
